【微分方程式③】定数変化法
投稿:2023/11/20 更新:2024/09/24
こんにちは! でるてぃーです。
今回は定数変化法。難しく言うと1階線形微分方程式の解法です。若干とっつきにくいですが、とりあえずやってみますか。
手を動かして、少ない時間で効率よくやっていきましょう。
定数変化法(1階)
1階線形微分方程式
- 定数変化法自体は$n$階でも適用できますが、最も普遍的な1階線形微分方程式を扱います。今のところは難しいことは後回しにしときましょう。
$x$を変数とする2関数$P(x),Q(x)$を用意します。そこで
$y'+P(x)y=Q(x) \cdots(1)$
の形になっている微分方程式を1階線形微分方程式とよびます。
- ここでいう「線形」は、導関数($\frac{dy}{dx}$)と従属関数($y$)についての1次式という意味です。例えば$yy'$っていう項が交じってたら線形微分方程式ではないです。
上の式に「$P(x)y$」があるけど大丈夫?ってなるかもしれませんが、$P(x)$は導関数でも従属関数$y$でもないのでオッケー。
解法
ここからは天下り的だけど、斉次形
$y'+P(x)y=0$
を考えます。この式は変数分離形ですね。
$\frac{1}{y}dy=-P(x)dx$
$log|y|=-\int P(x)dx+C$
$y=\pm e^{-\int P(x)dx+C}$
$\therefore y=Ae^{-\int P(x)dx}$
で、任意定数$A$を、$x$についての関数$a(x)$に置き換えます。
$y=a(x)e^{-\int P(x)dx} \cdots(2)$
さらにこの式を両辺$x$で微分します。
最後に、$(2),(3)$式を$(1)$式
$y'+P(x)y=Q(x) \cdots(1)$
に突っ込むことにより、ようやく一般解を求めることができます。その際、$a'(x)e^{-\int P(x)dx}P(x)$の項がうまく消えますね。
残った式を整理していくと
$a'(x)e^{-\int P(x)dx}=Q(x)$
$a'(x)=Q(x)e^{\int P(x)dx}$
$a(x)=\int Q(x)e^{\int P(x)dx}dx+C$
となり、この$a(x)$を$(2)$式に代入して一般解が手に入ります。
$y=(\int Q(x)e^{\int P(x)dx}dx+C)e^{-\int P(x)dx}$
この一連の流れを1階線形微分方程式の定数変化法といいます。
一般解の公式は一応上のようになりましたが、こんなもん覚えられませんね。定数変化法のパターンは、イチから導出をして一般解を出していきましょう。
解法だけ言われてもピンとこない場合は、例題を見よう見まねで理解した後に上の説明をもう一回見てみましょう。
【例題1】
$y'+y=3e^{2x}$ の一般解を求めよ.
【例題2】
$y'=y+5x$ の一般解を求めよ.
【例題3】
$(x^2+1)y'+2xy=xe^x$ の一般解を求めよ.
復習問題
何も見ずにもう一回やってみよう。
【例題1】
$y'+y=3e^{2x}$ の一般解を求めよ.
【例題2】
$y'=y+5x$ の一般解を求めよ.
【例題3】
$(x^2+1)y'+2xy=xe^x$ の一般解を求めよ.
まとめ
けっこう重たい計算でしたが基本のパターンなので是非身につけておきたいですね。
次はベルヌーイ形です。今回の内容を使うので覚えておきましょう!
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