【微分方程式⑤】クレロー形

投稿:2023/11/29 更新:2024/09/24



こんにちは! でるてぃーです。

今回はクレロー形。これも比較的簡単なパターンです。

手を動かして、少ない時間で効率よくやっていきましょう。

クレロー形

解法

$x$を変数とする関数$f(x)$を用いて

$y=xy'+f(y') \cdots(1)$

の形になっている微分方程式をクレロー形とよびます。この式の両辺を$x$で微分します。$y$は$x$の(従属)関数なので、合成関数微分に気を付けて!

$y'=y'+xy''+f'(y')y''$

$\Leftrightarrow (x+f'(y'))y''=0$

よってクレロー形の解は

$[1]y''=0$

または

    $[2]x+f'(y')=0$

ってことになりますね。

まずは$[1]y''=0$から。積分して$y'=C$ですから$(1)$式に代入して一般解を得ます。

$y=Cx+f(C)$

次に$[2]x+f'(y')=0$ですね。$x=-f'(y')$を$(1)$式に代入して$y=-f'(y')y'+f(y')$となります。つまり上の一般解のほかに

\begin{array}{l} x=-f'(y')\\ y=-f'(y')y'+f(y') \end{array}

という解があるってことですね。この$(x,y)$の組は、ふつう一般解$y=Cx+f(C)$の特殊解にはなり得ないんですよ。なので、特異解とよばれます。

※特異解には積分定数は含まれません。一般解と違って具体的な1つの解ですからね。後で例題2をみればわかると思います。



まとめると、クレロー形の微分方程式

$y=xy'+f(y')$

の解は、次の一般解と特異解となります。

$y=Cx+f(C)(一般解)$

\begin{equation} \begin{array}{l} x=-f'(y')\\ y=-f'(y')y'+f(y') \end{array}(特異解) \end{equation}

また、答え方の注意ですが、特異解のパラメタ$y'$を消去して答えましょう。たまに消去できないやつもあるので注意。

【例題1】

$y=xy'-4y'$ の一般解および特異解を求めよ.

【例題2】

$y=xy'-log(y')$ の一般解および特異解を求めよ.

【例題3】

$y=xy'-\frac{(y')^3}{3}$ の一般解および特異解を求めよ.

復習問題

何も見ずにもう一回やってみよう。

【例題1】

$y=xy'-4y'$ の一般解および特異解を求めよ.

【例題2】

$y=xy'-log(y')$ の一般解および特異解を求めよ.

【例題3】

$y=xy'-\frac{(y')^3}{3}$ の一般解および特異解を求めよ.

まとめ

クレロー形はまあなんとかいけそうですね。でも次がだいぶ重たいので気を引き締めていきましょう!

次は完全微分形やります。

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でるてぃーメモ 管理人

大学2年。趣味はそろばんと資格勉強。個別指導塾とHP更新のバイトをしています。


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