静岡県公立高校入試数学 分析
投稿:2023/08/31 更新:2025/09/03

こんにちは! でるてぃーです。
今回は数学の出題パターンをみていくことにしましょう。2025年分を更新しました。
目次(見出しにジャンプします)
大問別出題傾向
静岡県公立高校入試数学は、最近は大問7つで構成されており、出題分野が大体決まっています。
以下、順番に見ていきましょう。
大問1
年度 | カテゴリ | (1)ア | (1)イ | (1)ウ | (1)エ | (2) | (3) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2026 | 小問集合 | ??? | ??? | ??? | ??? | ??? | ??? |
2025 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2024 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2023 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2022 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 平方完成型 |
2021 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2020 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2019 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 平方完成型 |
2018 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 因数分解型 |
2017 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 解の公式型 |
2016 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 平方完成型 |
2015 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 解の公式型 |
2014 | 小問集合 | 整数の計算 | 文字式の計算 | 分数式の計算 | 根号を含む計算 | 式の値 | 定数の求値 |
過去問演習で効率よくパターン暗記すべし
毎回同じパターンです。配置も問題も同じ。(当たり前ですが数字はちがいます)
まず最初の(1)ア,イ,ウ,エ は計算問題。(1)エ はルートの有理化が必要な中3の分野ですが、他3問は2年生までの内容です。
次に(2)ですが、「因数分解→代入」というお決まりの問題です。最悪代入だけでもできますが、やはり計算ミスがこわい!
(3)は2次方程式ですね。出題されうるのは3パターンで、それぞれ

と勝手に呼んでいます。ただし、「解の公式型」は最近あんまり見かけません。
過去6年間で5回因数分解型が出題されています。そろそろ平方完成型(両辺のルートをとるタイプ)の問題が出そうですね。
- あんまり言うとアレですが、解の公式に当てはめればどのタイプでも倒せます。最終手段ですね。
大問2
年度 | カテゴリ | (1) | (2) | (3) | (4) |
---|---|---|---|---|---|
2026 | 小問集合 | ??? | ??? | ??? | ??? |
2025 | 小問集合 | 作図 | 双曲線の式 | 確率 | - |
2024 | 小問集合 | 作図 | 文字を使った式 | 確率 | - |
2023 | 小問集合 | 作図 | 命題の逆 | 確率 | - |
2022 | 小問集合 | 作図 | 双曲線の式 | 確率 | - |
2021 | 小問集合 | 作図 | 文字を使った式 | 確率 | - |
2020 | 小問集合 | 作図 | 中心角の大きさ | 確率 | - |
2019 | 小問集合 | 作図 | 比例の式 | 確率 | - |
2018 | 小問集合 | 角度 | 双曲線の式 | 作図 | 測定値と誤差 |
2017 | 小問集合 | 文字を使った式 | 作図 | 相対度数(文章題) | - |
2016 | 小問集合 | 関数(選択) | 作図 | 確率 | - |
2015 | 小問集合 | 文字を使った式 | 双曲線の式 | 作図 | 標本調査(文章題) |
2014 | 小問集合 | 文字を使った式 | 双曲線の式 | 作図 | ヒストグラム(文章題) |
作図と確率で計画的に4~5点稼げ
大問は違いますが、作図と確率は皆勤賞です。毎回出題されているようなので狙い目ですね。
この作図と確率以外のもう1問は、パターン化されていない問題が出題されます。
規則性の問題や、比例・反比例(双曲線)の式、その他いろいろと多岐にわたります。
そのため、「この1問は取れたらラッキー」みたいな感じで、作図・確率で点をもぎ取りに行きましょう。
箱ひげ図が中学の指導要領にて解禁されたためか、データの分析系は別の大問に移動しました。
大問3
年度 | カテゴリ | (1) | (2) |
---|---|---|---|
2026 | 連立方程式 | ??? | ??? |
2025 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - |
2024 | 連立方程式 | 連立方程式(割合) | - |
2023 | データ分析 | 中央値 | データ追加・除去 |
2022 | データ分析 | 範囲 | データの個数 |
2021 | データ分析 | ヒストグラム選択 | データ追加・除去 |
2020 | データ分析 | 最頻値 | データの個数 |
2019 | データ分析 | 相対度数 | 代表値(選択) |
2018 | 小問集合 | 確率 | 連立方程式(割合) |
2017 | 確率 | 確率 | - |
2016 | データ分析 | 代表値の求値 | 散らばりの程度 |
2015 | 小問集合 | 確率 | 連立方程式 |
2014 | 確率 | 確率(選択) | - |
点数のわりに計算ミスやタイパが悪い
最近は連立方程式が配置されるようになりました。
この連立方程式の文章題ですが、6年連続で割合の問題が出題されています。そろそろ速さとか厳しめの過不足問題がきそうです。
なお、配点は5点とかなり大きいのですが、数学が苦手な人にはとても注意が必要な分野になっています。
まず、長めの文章を把握しなければならないことです。
自信がなければ図表で対応関係を導いてから立式するのが通例。
で、割合の知識というハードルはもちろん、小数や分数もつきまといます。
料金が絡む問題だと、「0」の数が多く位取りで間違える可能性も出てきますね。実体は罠でしかないですね。
この人食い箱を攻略できるトップ層や数学が得意な人は、確実にこの5点を手に入れておきたいところです。
大問4
年度 | カテゴリ | (1) | (2) | (33) |
---|---|---|---|---|
2026 | 立体図形 | ??? | ??? | ??? |
2025 | 立体図形 | 垂直な面 | 回転体の体積 | 線分の長さ |
2024 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 線分の長さ | 三角錐の体積 |
2023 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - | - |
2022 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - | - |
2021 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - | - |
2020 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - | - |
2019 | 連立方程式 | 連立方程式(速さ) | - | - |
2018 | 立体図形 | 三角形の面積 | 四角錐の体積 | - |
2017 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足) | - | - |
2016 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) | - | - |
2015 | 立体図形 | 体積比 | 線分の長さ+選択 | - |
2014 | 連立方程式 | 連立方程式 | - | - |
立体図形(3)がホントのラスボス
大問を隔てていろんな分野が大移動しまして、立体図形はこの大問4に落ち着きました。
立体図形の(1),(2)は、「垂直・平行・ねじれ」「回転体の体積」のほか、簡単な三平方(線分の長さ)といったパターン問題が多いです。
そのため、(1)か(2)のどちらかが取れたら結構いい感じ。数学が苦手でも狙っていきたいですよね。
ただし!(3)は他の都道府県と比べてもかなり難しい問題がきます。
相似の性質を全て知っていて使いこなすことが重要で、かつ「折り返した線分の最小条件」などの初見殺しを攻略できる実力が問われます。
大問5
年度 | カテゴリ | (1) | (2) | (3) |
---|---|---|---|---|
2025 | データ分析 | ??? | ??? | ??? |
2025 | データ分析 | 中央値 | 箱ひげ図(選択) | - |
2024 | データ分析 | 累積相対度数 | 箱ひげ図(選択) | - |
2023 | 立体図形 | 投影図 | 弧の長さ | 三角形の面積 |
2022 | 立体図形 | 動点 | 回転体の体積 | 折り返した線分の最小条件 |
2021 | 立体図形 | 直角な角 | 図形の面積 | 線分の長さ |
2020 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 線分の長さ | 四角錐の体積 |
2019 | 立体図形 | 動点 | 動点,回転体の体積 | 動点,線分の長さ |
2018 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2017 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 円錐の母線の長さ | 折り返した線分の最小条件 |
2016 | 立体図形 | 動点 | 動点,体積の比 | 動点,線分の長さ |
2015 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2014 | 立体図形 | 線分の長さ | 動点,図形の面積 | - |
コスパのいい分野!作図・確率の次に優先して復習
大問5はデータの分析が鎮座しています。
指導要領の改定により、四分位数と箱ひげ図が出題範囲になったことで、大問1つを牛耳ることになりました。
まずは、階級値(最頻値や中央値など)、相対度数といった簡単な問題を確実に得点するところからです。
簡単に復習できるコスパのいい分野なので、善は急げですね。
また、注目すべきは箱ひげ図の連続出題ですね。3年連続で出すかは謎ですが……
さらに、変な問題が出やすいのもデータの分析です。
「データを追加・除去する問題」などの頭を使う問題や、何だっけそれ、となりがちな累積相対度数、標本調査といった変化球も特徴的。
大問6
年度 | カテゴリ | (1) | (2) | (3) |
---|---|---|---|---|
2026 | 関数総合 | ??? | ??? | ??? |
2025 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の傾き | 比例定数の求値 |
2024 | 関数総合 | 双曲線の式 | 比例定数の取りうる範囲 | 比例定数の求値 |
2023 | 関数総合 | 比例定数の求値 | グラフの変化(選択) | 比例定数の求値 |
2022 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2021 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 座標の求値 | 比例定数の求値 |
2020 | 関数総合 | 双曲線の式 | 変化の割合 | 比例定数の求値 |
2019 | 関数総合 | 比例定数の求値 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2018 | 証明 | 合同証明 | 弧の長さ | - |
2017 | 関数総合 | 双曲線の式 | 比例定数の求値 | 比例定数の求値 |
2016 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2015 | 証明 | 相似証明 | 弧の長さ | - |
2014 | 関数総合 | 座標の求値 | y座標の取りうる範囲 | 比例定数の求値 |
実はパターン問題がいっぱいの宝物庫
見ただけで捨てたくなる関数の問題。実は、パターン問題がたくさんあります。
座標を代入して比例定数を求めたり、「2点」「1点と傾き」から直線の式を出す。さらには変域もよく出るパターン問題です。
数学が苦手であっても、(1)や(2)アについてはちょっと食らいついてみるといいと思います。
特に変域なんて、2次関数の特徴を利用した初見殺しを除いてワンパターンです。
(3)または(2)イは何か図形的な条件を与えて、2次関数の比例定数を求める問題です。
毎回出ますが、求め方も書かないといけないのが面倒なところ(しかも回答欄が小さい)。
大問7
年度 | カテゴリ | (1) | (2) |
---|---|---|---|
2026 | 証明 | ??? | ??? |
2025 | 証明 | 相似証明 | 弧の長さ |
2024 | 証明 | 二等辺三角形証明 | 角度 |
2023 | 証明 | 相似証明 | 線分の長さ |
2022 | 証明 | 相似証明 | 角度 |
2021 | 証明 | 合同証明 | 弧の長さ |
2020 | 証明 | 相似証明 | 線分の長さ |
2019 | 証明 | 相似証明 | 角度 |
2018 | - | - | - |
2017 | 証明 | 相似証明 | 面積の比 |
2016 | 証明 | 合同証明 | 角度 |
2015 | - | - | - |
2014 | 証明 | 合同証明 | 角度 |
長年受験生に捨てられてきた定番の難問
最後の大問にはかならず証明がいます。
こんな難しい問題を最初らへんに配置したら、無策で公立入試に挑む受験生の制限時間を吸い取ってしまいそうです。
言うまでもないことですが、数学が苦手ならとりあえず捨てましょう。
無益な争いです。
- あっでも、(2)は白紙にせず、勘で何か書いときましょう。
証明問題に挑む人向けに言うと、全国津々浦々の証明問題をたくさん解きましょう。もしくは塾のテキストを反復して解きましょう。
証明問題は問題文をざっと読んで(45秒)、与えられた図にマークをつけ(3分)、条件が「見えた!」ってなったらすぐ書き起こします(7分)。
この一連の流れをマスターすれば、入試本番で完答できる可能性がぐっとあがります。早ければ早いほど、他の分野のシンキングタイムが増えます。
なお、証明問題のパターンは「相似」「合同」「二等辺三角形」の3つ。二等辺三角形が2つ以上絡むと発生する「三段論法」にも対策が必要です。
カテゴリ別出題傾向
ここからは中学数学の分野別出題傾向をまとめました。
2次方程式
年度 | カテゴリ | パターン |
---|---|---|
2026 | 2次方程式 | ??? |
2025 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2024 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2023 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2022 | 2次方程式 | 平方完成型 |
2021 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2020 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2019 | 2次方程式 | 平方完成型 |
2018 | 2次方程式 | 因数分解型 |
2017 | 2次方程式 | 解の公式型 |
2016 | 2次方程式 | 平方完成型 |
2015 | 2次方程式 | 解の公式型 |
2014 | 2次方程式 | 定数の求値 |
2次方程式はさっきも言った通り、「因数分解型」「平方完成型」「解の公式型」の3パターンですね。絶対ミスしないように。
得点すべき実力層
受験者全員
どんな受験生でも、大問1を満点(12点)とれるように訓練しなければお話になりません。
作図
年度 | カテゴリ | パターン |
---|---|---|
2026 | 作図 | ??? |
2025 | 作図 | 円の中心 |
2024 | 作図 | 接線・二等分線 |
2023 | 作図 | 垂線・二等分線 |
2022 | 作図 | 垂線・二等分線 |
2021 | 作図 | 接線・二等分線 |
2020 | 作図 | 円の中心 |
2019 | 作図 | 円の中心 |
2018 | 作図 | 垂線・二等分線 |
2017 | 作図 | 二等分線 |
2016 | 作図 | 接線・二等分線 |
2015 | 作図 | 回転・対称移動 |
2014 | 作図 | 垂線・二等分線 |
作図は毎年出ます。接線のかき方もマスターしよう。また、コンパスを用いた回転移動なども出題されるかも。
得点したい実力層
受験者全員
作図で扱うワザは基本的に2つ。「垂直二等分線」と「角の二等分線」しかないんです。だったらコスパは◎。
確率
年度 | パターン |
---|---|
2026 | ??? |
2025 | 確率 |
2024 | 確率 |
2023 | 確率 |
2022 | 確率 |
2021 | 確率 |
2020 | 確率 |
2019 | 確率 |
2018 | 確率 |
2017 | 確率 |
2016 | 確率 |
2015 | 確率 |
2014 | 確率 |
確率も毎回出ます。樹形図や表を使って、漏れなく重複なく数えてあげましょう。上位層でも数え間違いが起こるのでていねいに!
得点したい実力層
受験者全員
基本、樹形図を描くだけのシンプルな小問です。作図同様に、確実に2点稼ぎたい。
関数(大問6以外)
年度 | カテゴリ | パターン |
---|---|---|
2026 | 関数(大問6以外) | ??? |
2025 | 関数(大問6以外) | 双曲線の式 |
2024 | 関数(大問6以外) | - |
2023 | 関数(大問6以外) | - |
2022 | 関数(大問6以外) | 双曲線の式 |
2021 | 関数(大問6以外) | - |
2020 | 関数(大問6以外) | - |
2019 | 関数(大問6以外) | 比例の式 |
2018 | 関数(大問6以外) | 双曲線の式 |
2017 | 関数(大問6以外) | - |
2016 | 関数(大問6以外) | 関数(選択) |
2015 | 関数(大問6以外) | 双曲線の式 |
2014 | 関数(大問6以外) | 双曲線の式 |
比例や反比例(双曲線)のグラフを表す式を答える問題が出題されます。ただ、かくべきグラフは比例か反比例かは問題文には与えられてませんので、文章をよく読みましょう。
得点したい実力層
受験者全員
とはいいつつ、大問2は作図・確率で4点稼げれば、残り1問はミスっても及第点。当たればラッキーという感じで対策を進めよう。
文字を使った式
年度 | カテゴリ | パターン |
---|---|---|
2026 | 文字を使った式 | ??? |
2025 | 文字を使った式 | - |
2024 | 文字を使った式 | 規則性 |
2023 | 文字を使った式 | - |
2022 | 文字を使った式 | - |
2021 | 文字を使った式 | その他 |
2020 | 文字を使った式 | - |
2019 | 文字を使った式 | - |
2018 | 文字を使った式 | - |
2017 | 文字を使った式 | 割合 |
2016 | 文字を使った式 | - |
2015 | 文字を使った式 | その他 |
2014 | 文字を使った式 | 規則性 |
これらとは別に、2023年には小問として「命題の逆」を問う問題が出題されました。
その他の問題については問題の種類が多くて、傾向はよくわかりません。高得点には幅広い知識が必要というわけですね。
得点したい実力層
受験者全員
明らかに変な問題や解いたことのない問題に出会ったら、数学が苦手な受験生は一旦この問題を保留。次の大問のパターン問題に進みます。
連立方程式
年度 | カテゴリ | パターン |
---|---|---|
2025 | 連立方程式 | ??? |
2025 | 連立方程式 | 連立方程式(割合) |
2024 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) |
2023 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) |
2022 | その他 | 連立方程式(過不足と割合) |
2021 | その他 | 連立方程式(過不足と割合) |
2020 | その他 | 連立方程式(過不足と割合) |
2019 | 連立方程式 | 連立方程式(速さ) |
2018 | 連立方程式 | 連立方程式(割合) |
2017 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足) |
2016 | 連立方程式 | 連立方程式(過不足と割合) |
2015 | 連立方程式 | 連立方程式 |
2014 | 連立方程式 | 連立方程式 |
連立方程式の文章題は必ず出ますが、文章題といっても種類があります。ただ、最近は割合の問題が多いですね。
昔は難しい問題が多かったですが、最近は取り組みやすい問題になってきています。
料金の計算には「0」が多く(桁が多い)、小数点の位取りで間違えたりすることもあるので注意。
仮に完答できなくても、変数宣言や条件式1つでも書いておけば、部分点がもらえるかもしれません。1点にこだわっていきましょう。
得点したい実力層
25点くらい取れる受験生
大問1計算問題12点と大問2小問集合6点、その他の大問で1~2点ずつ稼げるように訓練した人なら取り組んでみましょう。
- 35点以上を狙う場合はこの大問で完答しておきたいですね。
データ分析
年度 | カテゴリ | パターン | |
---|---|---|---|
2025 | データ分析 | ??? | ??? |
2025 | データ分析 | 中央値 | 箱ひげ図(選択) |
2024 | データ分析 | 累積相対度数 | 箱ひげ図(選択) |
2023 | データ分析 | 中央値 | データ追加・除去 |
2022 | データ分析 | 範囲 | データの個数 |
2021 | データ分析 | ヒストグラム選択 | データ追加・除去 |
2020 | データ分析 | 最頻値 | データの個数 |
2019 | データ分析 | 相対度数 | 代表値(選択) |
2018 | データ分析 | 測定値と誤差 | - |
2017 | データ分析 | 相対度数(文章題) | - |
2016 | データ分析 | 代表値の求値 | 散らばりの程度 |
2015 | データ分析 | 標本調査(文章題) | - |
2014 | データ分析 | ヒストグラム(文章題) | - |
(1)は基本問題が多いです。なるべく落としたくない。
(2)は結構変な問題が多いです。データの個数を追加したり除去したりする問題など、思考力が問われます。
得点したい実力層
(1):受験者全員
(2):25点くらいの受験生
(1)も、累積相対度数など覚えづらいものを出題するかもしれませんが、大体は簡単です。
数学が苦手でも、何年分か過去問を解いてみて解き方をつかんでいきたいですね。
最近(2)は箱ひげ図の選択問題ですが、案外数学が苦手でも正しく情報を読み取れると思います。
25点くらいとはいいましたが、できそうなら挑戦という形がよろしいでしょう。
立体図形
年度 | カテゴリ | パターン | ||
---|---|---|---|---|
2026 | 立体図形 | ??? | ??? | ??? |
2025 | 立体図形 | 垂直な面 | 回転体の体積 | 線分の長さ |
2024 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 線分の長さ | 三角錐の体積 |
2023 | 立体図形 | 投影図 | 弧の長さ | 三角形の面積 |
2022 | 立体図形 | 動点 | 回転体の体積 | 折り返した線分の最小条件 |
2021 | 立体図形 | 直角な角 | 図形の面積 | 線分の長さ |
2020 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 線分の長さ | 四角錐の体積 |
2019 | 立体図形 | 動点 | 動点,回転体の体積 | 動点,線分の長さ |
2018 | 立体図形 | 三角形の面積 | 四角錐の体積 | - |
2017 | 立体図形 | ねじれの位置,平行 | 円錐の母線の長さ | 折り返した線分の最小条件 |
2016 | 立体図形 | 動点 | 動点,体積の比 | 動点,線分の長さ |
2015 | 立体図形 | 体積比 | 線分の長さ+選択 | - |
2014 | 立体図形 | 線分の長さ | 動点,図形の面積 | - |
(1),(2)をくらべると、若干(2)が難しいといったくらいで、出題分野に大きな特徴があるわけでもありません。何が出るかピタリと当てるのはできません。
そのため、たくさん図形問題を解いて慣れるほかありません。受験まで時間がなければ他の問題をやろう!
(3)は毎回難しいので、40点以上を狙う人にしかおすすめはしません。(それでも出題パターンは限られています)
得点したい実力層
(1):20点くらいの受験生
(2):25点くらいの受験生
(3):40点以上の受験生
(1)のほとんどは、立体図形の位置関係を聞いてきます。ねじれ・垂直・平行、投影図などが該当します。
しかし、いきなり動点や三平方という場合があるので、この大問自体を避けるための用意はするべきでしょうね。
(2)は、基本的に計算問題です。三平方、回転体の体積ですね。
どれも図形問題ですが、回転体の体積は学調でも出会ったことがあるかも。円錐や球の体積を不自由なく求められるなら、この問題を選ぶことも視野に入れましょう。
(3)は、平行線の性質、中点連結定理、面積比:体積比、三平方といったありとあらゆる図形の性質を使います。
この問題に挑むなら、他の分野をマスターしてから図形問題を練習しよう。
- 偏差値70の高校生は、成績を開示すると数学47点というのが結構多いです。5人くらいに聞きましたが、口をそろえて「(3)のせいだ」と言ってました。
関数総合
年度 | カテゴリ | (1) | (2) | (3) |
---|---|---|---|---|
2026 | 関数総合 | ??? | ??? | ??? |
2025 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の傾き | 比例定数の求値 |
2024 | 関数総合 | 双曲線の式 | 比例定数の取りうる範囲 | 比例定数の求値 |
2023 | 関数総合 | 比例定数の求値 | グラフの変化(選択) | 比例定数の求値 |
2022 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2021 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 座標の求値 | 比例定数の求値 |
2020 | 関数総合 | 双曲線の式 | 変化の割合 | 比例定数の求値 |
2019 | 関数総合 | 比例定数の求値 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2018 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2017 | 関数総合 | 双曲線の式 | 比例定数の求値 | 比例定数の求値 |
2016 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2015 | 関数総合 | 2次関数の変域 | 直線の式 | 比例定数の求値 |
2014 | 関数総合 | 座標の求値 | y座標の取りうる範囲 | 比例定数の求値 |
表を見てみると、なんとなくパターン問題があることに気づくはずです。
実際の問題では2次関数が2つ($a>0$と$a<0$)と直線・双曲線が引かれているような配置です。
そして、「比例定数を求める」「変化の割合」「直線の式」「変域」のどれかが出題されています。ホントにパターンです。
……しかし、2023年にはグラフの挙動を答えさせる問題が出題されました。共通テストの影響か、思考力を問う問題を出したいのかもしれません。
もしかすると、パターンから外れるような問題も今後出るかもしれませんが、きっと無理のない難易度だと思います。
(3)は毎度おなじみ比例定数の求値です。図形的な条件(「面積が~」「二等分する~」など)が与えられて解く問題です。求め方まで書かせるのが厄介。
得点したい実力層
(1):20点くらいの受験生
(2):25点くらいの受験生
(3):35点以上の受験生
(1)は変域、反比例(双曲線)の式を求める問題が非常に多いです。しかも比較的取り組みやすい。
20点くらい取れるようになったら、本格的に稼ぎにいってもいいでしょうね。
(2)は2点A,Bを通る直線の式を求めたり、座標を求める問題が出題されていたのですが、最近傾向が変わりました。
ちょっと頭を使う問題が出るかもなので、ちょっと考えて「無理だ」と思ったら飛ばしたいですね。
(3)は2次関数の比例定数$a$を特定する問題です。
グラフに情報を書き込んで、自分の出会ったことのあるパターンを当てはめられる玄人向けの問題となっています。
証明
年度 | カテゴリ | (1) | (2) |
---|---|---|---|
2026 | 証明 | ??? | ??? |
2025 | 証明 | 相似証明 | 弧の長さ |
2024 | 証明 | 二等辺三角形証明 | 角度 |
2023 | 証明 | 相似証明 | 線分の長さ |
2022 | 証明 | 相似証明 | 角度 |
2021 | 証明 | 合同証明 | 弧の長さ |
2020 | 証明 | 相似証明 | 線分の長さ |
2019 | 証明 | 相似証明 | 角度 |
2018 | 証明 | 合同証明 | 弧の長さ |
2017 | 証明 | 相似証明 | 面積の比 |
2016 | 証明 | 合同証明 | 角度 |
2015 | 証明 | 相似証明 | 弧の長さ |
2014 | 証明 | 合同証明 | 角度 |
ラスボス、証明問題です。大体3年に1回合同証明が出題されます。つまり相似証明が多いということ。
こういった証明問題はたくさんの問題を解いてようやく実力が身につく分野です。しかしながら1問解くまでのハードルが高い。
その敷居の高さは幅広い図形の知識が原因で、三角形、四角形、円、相似、平行線の性質といった分野を横断する知識が必要です。
しかし、これらの障壁をすべて突破し、たくさん問題を解いていると、証明問題はただのパズルになります。上位層はナンプレとかクロスワードとかと同じ気分で解いています。
なお、(2)では必ず(1)で証明した事柄を使います。注意したいのは、別に(1)の証明ができなくても、(1)の事実は使っていいということです。
ですが、大問5(3)に次ぐレベルで難しいなんてこともザラで、時間がなければこの大問7は捨てた方がいいという場合もあります。
得点したい実力層
(1):満点ねらい
(2):満点ねらい
(1)を本番で完答できるためには、色々な問題にあたって解法パターンを身につけることです。
塾のテキストなどで、公立本番までに50問以上は皆解いています。
(2)は、大問5(3)同様図形への慣れが必要、としか言いようがありません。
特に円の性質ですね。「同じ弧に対する円周角は等しい」ことや、第$n$の相似を見つけるといったテクニックが求められます。
- 偏差値70を目指すにあたって、大問6や大問7が完答できないと黄色信号。5教科のなかでも数学は得点源です。差をつけられないためにも、数学で落としたらいけません。
平均点の推移
県の教育委員会が発表した年度ごとの数学と、5教科合計点の平均を下に示しておきます。
※県外の方が見てるかもしれないので一応言うと、静岡県は1教科50点満点で、合計点は最大250点となっています。
年 | 数学 | 合計点 |
---|---|---|
2026 | ??.?? | ???.?? |
2025 | 24.36 | 146.66 |
2024 | 24.16 | 141.06 |
2023 | 26.15 | 142.92 |
2022 | 24.64 | 147.85 |
2021 | 22.39 | 139.05 |
2020 | 25.39 | 145.60 |
2019 | 26.71 | 142.12 |
2018 | 22.71 | 126.52 |
2017 | 23.44 | 122.26 |
2016 | 22.84 | 132.05 |
2015 | 23.57 | 145.77 |
2014 | 26.38 | 142.25 |
2013 | 21.55 | 141.68 |
最近は24点以上とやや易化しています。2021年度はけっこう難しい問題のセットで、22点台と出来が悪い。
数学は諦めるべきか?
他教科に比べて平均点が軒並み低い数学ですが、成績中間層は伸びにくいものの、成績下位層なら伸ばせる科目だと思っています。
それは大問1の計算問題12点と、毎年確実に出る作図・確率で4点、他の大問で(1)を正解するだけで、どんな受験生でも20点とるチャンスがあるからです。
平均点は24点くらいですから、20点も取れれば全然戦えます!
要するに、静岡県公立高校入試数学では、20点まで伸ばしやすく、平均点から30点までに壁があります。その壁を超える(ある程度実力が付く)と、40点、45点……とレベルアップする科目です。
実力別やることリスト
15点突破
まずは大問1の計算問題12点分をマスターしましょう。
同時並行で、大問2の作図・確率の過去問にあたりつつ、もう1問の小問にも挑戦しよう。
ゆっくりでいいので、まずは確実に計算ミスをなくすことを考えましょう。特に式の値。
20点~25点
データの分析を復習しましょう。
度数分布表・ヒストグラムの読み方、代表値、範囲、四分位数、箱ひげ図ですね。(1)あたりが狙い目です。
他にも、図形問題の(1)や関数の(1)を取り組むといいですね。
もちろん、大問1と大問2をさらに練習しておきましょう。
30点突破
連立方程式の文章題に手を付けてもいいかと思います。
その他、いろんな大問の(2)に挑戦しよう。関数や図形問題の(2)は、出題されているパターンが限られているのでここら辺を取り組むといいかも。
40点以上~満点ねらい
全部やれ。それだけです。
制限時間を10分短くした40分でやってみるといい練習になると思いますよ。
適当なテキストから引っ張ってきた証明問題を8分でやったり、他の都道府県の図形問題に取り組んだりしてみてください。
図形問題(3)、関数総合(3)、証明(1)(2)は全部図形の知識が必要。
量こなせば、気づいたら全部できるようになっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。静岡県公立高校入試数学をいろいろな角度から分析したデータをお伝えしました。
これを見た1人でも点数が伸びるようお祈りしています。
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