段位応用計算 第5講 最小公倍数・最大公約数
投稿:2023/09/18 更新:2024/09/23
こんにちは! でるてぃーです。
今回は第5講、最小公倍数・最大公約数の文章問題を解説していきたいと思います。
最小公倍数とは?
聞いたことあるけどなんだっけ? という人は、そのまま読んでください。知っている人は次の見出しへ。
整数とは
0,1,2,-1,-2,100,350などの、小数でも分数でもない数のことです。
- 数学的には厳密な定義ではないですが、気にしない。
倍数とは
ある整数を整数倍した数です。
例えば、3,6,9はすべて3の倍数です。なぜなら
$3×1=3$ $3×2=6$ $3×3=9$
という風に、ある整数3を整数倍した結果が3,6,9になるからです。
公倍数とは
複数の整数に共通する倍数です。
……と日本語で言われてもピンとこないですね。下の図を見てください。
ここでは18と24の倍数をどんどん書いていっています。どちらの倍数でもある数こそ、「18と24の公倍数」であるといいます。
最小公倍数とは
文字通り、最小の公倍数です。
上の例では、18と24の最小公倍数は72となります。
試験での対応
2つの数を見つける。
見つけたら、それぞれの倍数を下の図のように書き出す。
ある程度書けたら、共通する公倍数をチェックして最小公倍数を見つける。
練習問題①
【問題①】A駅から電車が16分おきに,バスは28分おきに発車します。午前9時に電車とバスが発車しました。次に電車とバスが同時に発車するのは,午前何時何分ですか。
【解答】
16と28の最小公倍数を求めましょう。
そのためには、16と28それぞれの倍数を書き出していきます。
上の図から、112が最小公倍数ですね。112分=1時間52分です。
午前9時に発車したので、次にぴったり発車する時刻は 午前10時52分となります。
最大公約数とは?
例によって、分かる人は次の見出しへ進んでください。
約数とは
ある整数を割り切ることができる整数のことです。
例えば、1,2,4,8は8の約数です。なぜなら
$8÷1=8$ $8÷2=4$ $8÷4=2$ $8÷8=1$
という風に、ある整数8を整数1,2,4,8で割ることができるからです。
公約数とは
複数の整数に共通する約数です。下図をみてください。
このように、それぞれの約数を書き出していくことで見つけることができます。
しかし、次の2数ではどうでしょう。
$456$ $3,456$
$456$でもキツいのに、$3,456$の約数全部書くなんて考えたくない!
さてどうしようか。
最大公約数とは
読んで字のごとく、公約数のうち最大のものです。
日常や数学で必要なのは「最大」公約数ですから、なんとかして最大公約数を効率よく求めたい!
ユークリッドの互除法
証明は別の機会に譲りますが、これを使うのがイチバン。高校数学Aの範囲ですが、使い方だけは小学生にもわかる話ですから頑張りましょう。
ユークリッドの互除法
よくわからなかったら無視して使い方(そろばん)を見てください。
わり算の基本等式である$a=bq+r$について、次のことが成り立ちます。
「$a$と$b$の最大公約数は,$b$と$r$の最大公約数に等しい」$\cdots(*)$
使い方(紙に書く)
例. $3,059$と$2,337$の最大公約数
①$3,059$から、$3,059$を超えない最大の$2,337$の倍数($2,337×1=$)$2,337$を引く。その残りは$722$です。
$(*)$により、「$3,059$と$2,337$の最大公約数」=「$2,337$と$722$の最大公約数」です。
今度は$2,337$と$722$で①と同じことをします。
②$2,337$から、$2,337$を超えない最大の$722$の倍数($722×3=$)$2,166$を引く。その残りは$171$です。
……と同様に繰り返していくと、残りの数が$0$(割り切れる)になるタイミングが必ず訪れます。
これにより「$3,059$と$2,337$の最大公約数」=「$38$と$19$の最大公約数」です。
以上により、求める最大公約数は$19$となります。
使い方(そろばん)
『段位応用計算』では次のようにやると速いです。理屈は上と同じ。そろばんをご用意ください。
まずは左に$3,059$、右に$2,337$をおきます。
①$3,059$から、$3,059$を超えない最大の$2,337$の倍数($2,337×1=$)$2,337$を引きます。
図のように$722$と$2,337$がおかれています。
②$2,337$から、$2,337$を超えない最大の$722$の倍数($722×3=$)$2,166$を引きます。
今度は$722$と$171$となったはずです。
この理屈で繰り返していきましょう。
最後の図では左の数が$0$になりました。このとき$19$が求める最大公約数となります。
試験での対応
2つの数を見つける。
見つけたら、ユークリッドの互除法をそろばんで実行。
数をぶつけ合い、生き残った方を最大公約数とする。
練習問題②
【問題②】ボールペンが504本,鉛筆が651本あります。ボールペンと鉛筆を出来るだけ多くの子どもに同じ数ずつ,あまりがないように分けます。最大で何人の子どもに分けられますか。
【解答】
$504$と$651$の最大公約数を求めましょう。
そのためには、盤上に$651$と$504$をおきます。そしてユークリッドの互除法を実行します。
ここからはノンストップでいきますよ。
$651$を$504\times 1=504$で引く。すると左は$147$になる。
今度は$504$を$147\times 3=441$で引く。右は$63$になる。
次は$147$を$63\times 2=126$で引く。左は$21$になる。
最後に$63$を$21\times 3=63$で引けば、右が消滅する。
結果、$21$が生き残りました。答えは21人。
まとめ
ちょっと長くなりましたが、この問題も取りこぼしたくない問題です。よく復習して、検定に備えましょう!
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