段位応用計算 第8講 単利法

投稿:2023/09/19 更新:2024/09/24



こんにちは! でるてぃーです。

今回は第8講、単利法です。やっと商業のにおいがしてきました。わくわくしますね。

今回からちょっと難しくなります。商業の知識が必要なので頑張って覚えましょう。

利息とは

自分が貸す側のとき

あなたは銀行に10万円預けようとしています。

このとき、あなたは「貸す側」、銀行は「借りる側」になります。

借りる側 は 貸す側 に対して手数料を払う必要があって、これを利息(利子)といいます。

ということは、あなたは銀行から少しお金をもらえるわけです。

利息は、借りた額にある比率をかけ算することによって計算されます。この比率を年利率(金利)とよびます。

自分が借りる側のとき

逆に自分が借りる場合はどうでしょう。会社から10万円借りたとします。

このとき、あなたは「借りる側」、会社は「借りる側」になります。

すると、今度はあなたが会社に利息を払う必要がありますね。

元金がんきん/額面がくめんとは

上の二つの例では、10万円が取引されていますね。

この、取引される金額のことを元金がんきんまたは額面がくめんといいます。

元金ということばは、これから先たくさん出てきますからまず覚えておきましょう。

利息計算の基本

ある金額(元金がんきん額面がくめん)に、年利率をかけることで利息がでます。

利息=元金×年利率×取引期間$\cdots(1)$

また『段位応用計算』では元金に利息が足された金額、元利合計を答える問題も出題されます。

元利合計=元金+利息$\cdots(2)$

だったら$(1)$式と$(2)$式を足して、すぐに元利合計を出せる便利公式を使いましょう。

元利合計=元金×(1+年利率)×取引期間$\cdots(3)$

また、公式の中でわざと「取引期間」と書きました。

実際の『段位応用計算』の問題では、取引期間が「日数単位」のときと「月数単位」の2パターンあります。

そして、答え方は元利合計/利息の2パターンあるので、問題自体は2×2=4パターンあるわけです。

……けっこう難しい話になってきましたね。

日数単位と月数単位

年利率は利息計算するときに、「1年たったとき」を基準にした比率です。

しかし実際の問題は日数単位/月数単位で出題されるので、取引期間の部分に何かしらの工夫が必要ですね。

日数単位で与えられたとき

例えば、10万円、年利率2%、62日間取引したときの利息を考えます。

まず元金¥$100,000$ですね。年利率は2%なので0.02です。

年利率は「1年たったとき」の比率なので、$\frac{62}{365}$をかければ「62日分の利息」になります。

※細かいことを言うと、1年は365日の平年です。うるう年は考えません。

つまり、求める利息は

$100,000×0.02×\frac{62}{365}=339.7\cdots$

実際の問題では円位未満四捨五入ですから、小数第1位を四捨五入。答えは¥340となります。

月数単位で与えられたとき

6年4か月取引した場合はどうでしょうか。

1年=12か月ですね。6年4か月は$6×12+4=76$か月です。

つまり76か月分の利息は$\frac{76}{12}$をかけ算することで計算されます。

試験での対応

①まず何を求めるか確認(元利合計/利息)。

②次に取引期間(日数単位/月数単位)を確認。

③公式を用いて計算。

練習問題

【問題①】元金¥581,00057日の元利合計はいくらですか。ただし,年利率1.4%の単利とする。(円未満四捨五入)

【解答】

いろいろ確認しましょう。これは日数単位で元利合計を求めるパターンです。

$(3)$式を用いて計算します。

$581,000×(1+0.014)×\frac{57}{365}$

$=92,001.7\cdots$

円未満を四捨五入して、答えは ¥92,002となります。


【問題②】元金¥473,000を年利率2.5%の単利で,219日間借り入れた。利息はいくらですか。(円未満四捨五入)

【解答】

今度は日数単位で利息を求めるパターンです。

$(1)$式を用いて計算します。

$473,000×0.025×\frac{219}{365}$

$=7,095$

四捨五入の必要はありません。答えは ¥7,095となります。


【問題③】元金¥1,670,000を年利率2.9%の単利で,31か月借り入れた。元利ともでいくら支払いますか。(円未満四捨五入)

【解答】

月数単位で元利合計を求めるパターンです。

$(3)$式を用いて計算します。

$1,670,000×(1+0.029)×\frac{37}{12}$

$=5,298,492.5$

円未満を四捨五入して,答えは ¥5,298,493となります。


【問題④】元金¥840,000を年利率1.7%の単利で,58か月借り入れた。利息はいくらですか。(円未満四捨五入)

【解答】

月数単位で利息を求めるパターンです。

$(1)$式を用いて計算します。

$840,000×0.017×\frac{68}{12}$

$=80,920$

今回は四捨五入の必要はありません。答えは ¥80,920となります。

まとめ

やっと『段位応用計算』の醍醐味が出てきましたね!これからもっと楽しい(難しい)問題が出ますから、お楽しみに。

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でるてぃーメモ 管理人

大学2年。趣味はそろばんと資格勉強。個別指導塾とHP更新のバイトをしています。


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