段位応用計算 第11講 複利終価
投稿:2023/09/24 更新:2024/09/24
こんにちは! でるてぃーです。
今回は第11講、複利終価です。単利法があれば複利法もあります。これが厄介。とにかく頑張っていきましょう!
単利法との違い
・単利法→利息計算を1回行ったときの金額を求める
・複利法→1年の終わりに利息計算するルールで、n年分経ったときの金額を求める
……字面だけではよくわからないと思うので、例を確認していきましょう。
複利法の例
¥$300,000$を年利率$2$%で$3$年借りることを考えましょう。
1年目
¥$300,000$に$2$%の利息が付きます。1年目終わりの元利合計は
$300,000×1.02=306,000$
¥$306,000$となります。
2年目
2年目開始時の元金は¥$306,000$です。2年目終わりには、この元金に利息計算がなされます。
つまり、2年目終わりの元利合計は
$306,000×1.02=312,120$
¥$312,120$となります。
3年目
一応3年目も練習しましょう。
3年目開始時の元金は¥$312,120$です。3年目終わりには、この元金に利息計算がなされます。
つまり、3年目終わりの元利合計は
$312,120×1.02=318,362.4$
¥$318,362.4$となります。
とりあえず、3年目までの元金の推移を表にしてまとめました。
実際の計算
「10年目は?」って言われたらやりたくない
3年間借りた時の金額を計算するのに、わざわざ3回も利息計算しましたね。
じゃあ10年目はどうなるでしょう。10回地道に計算すれば……ってめんどくせー!!
さてどうしたものか。
先人の知恵
なんと、昔の人は「複利終価表」という早見表を作ってくれていました。
この値を使えば、「ある元金」が「ある年利率」で「n年」経過したときの金額が一瞬で分かってしまうのです。
じゃあ、さっきの条件で10年目を計算するには早見表の
$2$%,$10$期
の条件下における値を使えばいいということです。表の値を「複利終価係数」といいます(が、名前まで覚えなくて結構です)。使い方は
元利合計=元金×複利終価係数
をするだけです。
さらに、早見表をさらにズームしてみましょう。
$2$%,$10$期での値(水色の枠中)は
$1.21899442$
です。この値を使いましょう。
以上により、¥$300,000$を年利率$2$%、10年借りた時、期日に支払う元利合計は
$300,000×1.21899442$
$=365,698.326\fallingdotseq 365,698$
¥$365,698$とすぐに求められます!
※実はこの表、数学的に意味のある配置となっています。また今度、「段位応用計算特論」でご紹介いたします。
※あと、『段位応用計算』の問題改正に伴い、試験場で早見表は配られなくなりました。問題にはすでに早見表の値が載っているので、探す手間も省けるようになりました。
試験での対応
・【問題①】元利合計を求める問題
・【問題②】利息を求める問題
この2パターンが出題される。
また、「半年1期」の複利で借りた場合、年利率を半分、期数を2倍にして考える。
例)年利率5%,半年1期の複利で6年借りる場合
→年利率2.5%,1年1期の複利で12年借りる場合と同じだから、早見表で見るべきは
2.5%,12期の複利終価係数
である。
【問題①】では以下の公式を用いて求める。
元利合計=元金×複利終価係数$\cdots(1)$
【問題②】の公式は次。
利息=元金×(複利終価係数-1)$\cdots(2)$
※利息計算の右辺にある$-1$には数学的な意味があるが、高校数学の知識が必要なので省略。
※実際の問題には早見表の値が複数載っていて、どれかはダミーである。よく見極めよう。
練習問題
【問題①】元金¥570,000を年利率3%,1年1期の複利で8年間借り入れると,期日に支払う元利合計はいくらですか。(円未満四捨五入)
※複利終価表より,3% 8期 1.26677008
【解答】
元利合計のパターンです。$(1)$式を用いると、求める元利合計は
$570,000×1.26677008$
$=722,058.9\cdots$
小数第1位を四捨五入して、答えは ¥722,059となります。
【問題②】元金¥820,000を年利率5%,半年1期の複利で7年間借り入れると,期日に支払う利息はいくらですか。(円未満四捨五入)
※複利終価表より,2.5% 14期 1.41297382
【解答】
この問題は半年1期です。年利率5%、半年1期で7年借りるのは、年利率2.5%、1年1期で14年借りることと同じです。
利息のパターンです。$(2)$式を用いると、求める利息は
$820,000×(1.41297382-1)$
$=338,638.5\cdots$
小数第1位を四捨五入して、答えは ¥338,639となります。
まとめ
この第11講は複利計算の基本です。今後、次から次へと複利計算に関わる問題がでますから、今のうちに復習しておきましょう。
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