段位応用計算 第13講 複利現価
投稿:2024/08/26 更新:2025/03/13

こんにちは! でるてぃーです。
今回は第13講、複利現価です。超簡単に言えば、複利終価と逆の操作をする計算です。
ちょっと難しいですが、頑張っていきましょう!
目次(見出しにジャンプします)
まずは複利終価の復習
まず元金があって、1年ごとに利息がつくんでした。第11講の内容を数字だけ変えて載せておきます。
¥$1,000,000$を年利率$2$%で$3$年借りることを考えましょう。
1年目
¥$1,000,000$に$2$%の利息が付きます。1年目終わりの元利合計は
$1,000,000×1.02=1,020,000$
¥$1,020,000$となります。
2年目
2年目開始時の元金は¥$1,020,000$です。2年目終わりには、この元金に利息計算がなされます。
つまり、2年目終わりの元利合計は
$1,020,000×1.02=1,040,400$
¥$1,040,400$となります。
3年目
一応3年目も練習しましょう。
3年目開始時の元金は¥$1,040,400$です。3年目終わりには、この元金に利息計算がなされます。
つまり、3年目終わりの元利合計は
$1,040,400×1.02=1,061,208$
¥$1,061,208$となります。
とりあえず、3年目までの元金の推移を表にしてまとめました。

将来価値から逆算したい
上の議論を踏まえて考えてみましょう。
年利率$2$%で$3$年後に¥$1,061,208$になる元金って、いくらでしょう?
一年ごとに複利計算がなされるわけですから、逆算して$÷1.02$すればいいですね。
上の表を逆にたどると、元の¥$1,000,000$にもどることが分かると思います。

このように、将来価値から、金利(利息)を全て取っ払った現在価値を複利現価といいます。
字面だと難しいので上の例で当てはめてみましょうか。
$3$年後の¥$1,061,208$が将来価値です。年利率$2$%、$3$年分の金利は¥$61,208$ということになりますよね。
この金利を将来価値から差し引いた¥$1,000,000$が現在価値ということです。「将来の$x$円は、今いくらなのか?」を求めるのが複利現価というわけだ。
電卓がないと面倒
$3$回「$÷1.02$」するのも面倒ですよね。なんか便利グッズとかないのでしょうか。
……実はあるんです。複利終価で使った「複利終価表」のようなものが複利現価にもあります。「複利現価表」といいます。

この値(複利現価係数といいます)を使うことで、「将来の$x$円は、今いくらなのか?」という皮算用を爆速で計算できます!
ただし、『段位応用計算』の問題文には、すでにこの複利現価係数がついています。ただしダミーの値までついているので、よーく見極めよう。
表を使ってみよう
¥$1,061,208$から、年利率$2$%、$3$年分の金利を取っ払った現在価値を求めます。その際
$2$%,$3$期
の値に注目します。

今回は$0.94232233$という値ですね。これを将来価値¥$1,061,208$にかけ算します。
$1,061,200\times 0.94232233$
$=999,992.4\cdots$
と、元金¥$1,000,000$にめちゃめちゃ近いですね!
でも、ぴったり¥$1,000,000$にならないのは、表の値が小数第8位までで省略されているからです。
そして、表の値はある法則にしたがって羅列されているわけですが……また今度「段位応用計算特論」でご紹介しましょう。
諸注意
次の$2$つは言っていることが違うように聞こえますが、数学的な意味は同じです。全く同様に計算します。
①年利率$2$%、$3$年後の将来価値¥$500,000$は、現在価値としていくら?
②年利率$2$%、$3$年後に支払うべき負債¥$500,000$は、今支払えば何円で済む?
試験での対応
現在価値=将来価値×複利現価係数
注意したいのは、問題文に「¥$1,000$未満切り上げ」と書いてあること。
※実際の問題には早見表の値が複数載っていて、どれかはダミーである。よく見極めよう。
練習問題
【問題】
9年後に支払う負債¥1,300,000を年利率3.5%,1年1期の複利で割り引いて,いま支払うとすればいくらですか。(¥1,000未満切り上げ)
【解答】
複利現価表の値を読み取りましょう。今回読み取る部分は年利率$3.5$%、$9$期なので
$0.73373097$
です。これに支払うべき負債¥$1,300,000$をかけ算しましょう。それだけです。
$0.73373097\times 1,300,000$
$=953,820\cdots$
¥$1,000$未満を切り上げて、¥954,000となります。
まとめ
これで将来価値から現在価値へ逆算することができます!ちょっと難しかったですね。
次も似たような話。複利年金終価に入ります。
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