そろばんの大会とは?どんな種目・科目で競うかざっくり解説
投稿:2023/08/22 更新:2024/09/23
こんにちは! でるてぃーです。
そろばん塾では検定試験の他に「大会」というものもあります。大会は年に数回しかない一大イベント。入賞めざして選手はたくさん練習します。
今回はそろばんの大会についてお話していこうと思います。
目次(見出しにジャンプします)
大会の規模
検定試験と同様、大会もそろばんの連盟によって主催・運営されています。つまり連盟によって大会は異なるものです。
地区大会、県大会、全国大会と予選を勝ち抜いていく大会もありますし、みんなが各教場で行った点数を内部団体に報告する通信の大会、そのほか段位による出場制限のある大会などさまざまです。
まずは、地区大会レベルのところからお話します。
地区大会レベルの大会
その地区に置かれている支部が主体となって大会を主催・運営する場合がほとんどです。
その支部に加盟している塾の選抜メンバーだけが参加できます。選抜メンバーと言っても、3級以上なら先生から「やってみる?」とお呼びがかかるようなものですけどね。
地区大会レベルなら、入賞の可能性が結構あります。入賞するとトロフィーや盾・メダルなどがもらえ、入賞した選手はこれを抱えて嬉しそうに会場を後にします。
入賞できなくても、その悔しい経験がばねとなり、翌年の大会で雪辱を見事に果たしてくれる生徒がたくさんいます。
そろばんを卒業する頃や、小さいころからやってて大会で無双している選手の部屋には、トロフィーやら盾やらがずらりと並ぶこともあります。(しまい場所に困るのもあるある)
大会によっては、地区大会の成績優秀者がそのまま都道府県大会の切符を獲得するような場合もあります。
例)そろばんグランプリ
また、冒頭でちょっと言いましたが、その地区で競技を行った点数の結果を上に報告し、内部で審査・順位決定がなされる通信的なものもあります。
例)そろばんコンクール、あんざんコンクールなど
都道府県大会レベルの大会
地区大会の予選通過者が集まるため、もっとレベルの高い大会となります。入賞はさらに狭き門となり、これで入賞したら結構すごいですよ。
で、この都道府県大会でも成績優秀だった場合、全国大会の推薦選手として選ばれることになります。
このような大会の例として「そろばんグランプリ」があります。この県大会では、ジュニアの部(小学生)・スクールの部(中学高校)・シニアの部(一般)それぞれから数名のみ推薦選手に選ばれるようになっています。
推薦選手は全国大会へ参加費の免除を受けて参加する権利を得られますから、とんでもない実力をもっていると評価できます。僕なんて取ったことありませんよ。
また、単純に都道府県の中で頂点を決めて終わりという大会も多いですね。いずれにせよ入賞したら大したもんです。
関東や中部など地方ぐるみの大会
都道府県大会から進出したメンバーだけでやるっていう感じの大会はあんまりないですね。参加要件なしの場合が多いです。しかしそれは「無差別級」であることの裏返し。選手層はトップレベルです。
大会が指定する問題の難易度も圧倒的に他の大会を凌駕します。地区大会の時点でもう選手はアスリートですが、それをさらに超える計算の格闘技が繰り広げられます。
このような大会で入賞する選手をたくさん輩出するような塾は全国的にトップクラスの指導能力をもっているともいえます。
全国大会レベルの大会
日本一を決めるしのぎの削りあいは、見ていてもはや芸術的なものです。そろばんはただパチパチと弾いているだけの印象だという方、是非この世界を知ってもらいたい。
これだけ大きな大会で入賞できる実力はそろばん界のカリスマともいえるレベルで、全そろばん競技人口のほんの一握りです。
有名なものは下のような大会です。
・そろばんグランプリジャパン(日珠連)
・全日本珠算選手権大会(全珠連)
・珠算名人位決定戦(日珠連)
・全国珠算競技大会そろばんクリスマスカップ(日本珠算協会)
・全大阪オープン珠算選手権大会(大阪珠算協会)
大会でどんな種目があるのか
個人総合競技
個人総合競技とは、かけ算やわり算などのそろばんの基本的なスキルを数種類の科目にわたって競い合い、最終的に総合点で勝負する種目です。
選手は皆、普段の練習の成果を全力でこの種目にぶつけ、入賞を目指します。同率1位の場合や、入賞ラインでの決勝が起こったりもします。
大会のレベルが上がるにつれて、入賞枠争いは苛烈を極めます。そこには、いろんなドラマが待っています。
読上算競技
読み手が次々に大きな数を読み上げていき、選手たちはそれを足したり引いたりして、正答を目指します。
レベルの高い問題は桁数も、読む速さも格が違います。地区大会でも読まれる数の範囲が7桁~16桁とめちゃくちゃです。(16桁は千兆の位です)
大会では、連続正答によるバトルロワイヤルか、一番難しい問題から読んで正解した選手を優勝とする上位先決方式のどちらかです。
「答えの合われた選手は、正答の答案をもって高く上げてください」
僕はこの読上算競技が得意でした。一番難しい問題番号1番の問題を、たったひとり正解したときの達成感は忘れられません。
読上暗算競技
簡単に言うと、読上算の暗算ver.です。おんなじことを暗算でやります。
地区大会では5桁~9桁位(5桁から9桁までランダムに読まれるという意味)で優勝が決まりますね。毎回優勝・入賞者が同じメンツになるのは地区大会あるあるです。
レベルが高くなると桁数がすごい量増えます。まさかの7桁~16桁や、規格外の20桁なんてものもあります。(20桁は千京の位です。1京=1,000兆)
僕は読上暗算がとにかく苦手です。6桁までしか受け付けません。このあいだ地区大会で初めて読上暗算で入賞しましたが、他のどのトロフィーよりもうれしい出来事になりました。
フラッシュ暗算競技
メディアでも取り上げられることもあるあのフラッシュ暗算です。わずかの間にたくさんの緑色の数字がパパパパッと出て、全部足すやつです。
いろんな競技の中でもとくに魅せる競技ではないでしょうかね。とにかくギネス世界記録の動画を見てください。
>フラッシュ暗算 ギネス記録(出典:全国珠算教育連盟 公式youtubeチャンネルより)
……さすがにこんなに早く3桁の数字は足せません。というか見えない。多分ですが、処理速度が追いつかないので、最後のほうは暗記して後から足してるんじゃないかなと思います。いずれにせよ人間技ではないことは確かです。
都道府県別対抗競技
個人戦ばかりだったそろばんの競技に、チーム戦的要素が入った競技になります。これがすごい盛り上がるんですよ。
各都道府県で選ばれたメンバーが徒党を組んで戦います。難易度こそ難しいですが問題数の少ない決勝問題を取り扱う競技です。
数十秒でおわってしまう戦いには、吸い込まれそうな魅力がありますね。選手の横に早押しボタンみたいなやつがあり、それを元気よく「はい!!」と押して解答終了の宣言をします。
解答終了後は、訂正は一切できません。この競技は1題でも間違えると順位が一気に下がるデスマッチなのです。
似たようなことは個人総合競技の決勝でも行われるわけですが、打って変わって静寂です。選手は黙々と決勝問題に取り組み、速さと精度を競います。
まとめ
いかがだったでしょうか。大会あるところにドラマあり。そろばんの選手が全力でぶつかる大会の魅力。少しでもこの緊迫感を感じてもらったら嬉しいです。