この記事では『段位応用計算』の解説を載せています。
全珠連の段位検定における科目,応用計算の問題パターンを網羅することを目指します。
今回は第4講,原価・定価・損益に絡む問題を解説していきたいと思います。
1次方程式を使う
さて,$x$を使った1次方程式は大丈夫でしょうか?
これは中学の範囲ですが,もっとさかのぼれば小3「□を使った式」という分野でも同じことをやっています。
□を$x$にするだけです。
そもそも方程式って何だ
まだ分かっていない文字(未知数)を含む等式です。たとえば
$x+2=7$
といった感じ。
イコール「=」で結ばれているということは,どんな形をしていても左と右は同じだといっています。
どんな形でもです。
もしも下のようなやばそうな数式があったとしても
$\sum _{n=-\infty }^{\infty }|c_{n}|^{2}={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\pi }^{\pi }|f(x)|^{2}\,dx$
「=」で結ばれている以上,左と右は同じです。信じられないかもですが同じです。
こんな極端な例はさておき
$x+2=7$
という等式は,『「$x+2$」と「$7$」が同じ数』だといっています。
でも,やっぱり「$x+2$」には文字$x$がいます。
そこで,発想を変えましょう。
「$x+2$」が「$7$」になる,そんな都合のいい$x$を求めればいいじゃないか
と。
ちなみに$x=5$だとすぐにわかりますね。
答えである$x=5$はその方程式の解といい,「解を見つける」ことを方程式を「解く」と中学で勉強します。
- ホントは方程式の計算の練習とかを用意すべきですが,本質は『段位応用計算』のパターン解説なので,泣く泣く省略。
用語の解説
『段位応用計算』で出題される文章に登場する単語です。
これが分からないと意味も分からず時間が過ぎてしまいます。
原価/仕入れ値
お店はまず,品物を仕入れます。
そこで仕入れたときの金額を原価といいます。原価以上で売らないと損ですね。
定価
実際に品物を売るときは,原価よりも高くして売らないと,お店がもうかりません。
この,実際に売る価格(私たちが店で見る価格)を定価といいます。
よくお店は割引やセールをしますが,原価を考えて赤字にならないようにしています。
試験での対応
- ①分からないものを文字(たとえば$x$や□)でおく。
そろばんだけでなく算数・数学全てにあてはまることだが,こわがらずに文字をおくこと。 - ②文章を読んで,方程式を立てる。
- ③方程式を解く。
- ④解の吟味(よく確かめること)。
その答えはホントに妥当か?お店は大損になってないか? 変な数字になってないか確認。
練習問題
この問題は2つパターンがあります。
いずれも定価を求めますが,【問題②】では損益に関わる表現が出てちょっと厄介です。
【問題①】
【問題①】仕入れ値¥450,000の商品を,定価の25%引きで売っても,なお,仕入れ値の38%の利益を得るには,定価をいくらにすればよいですか。
【解答】
①分からないものを文字でおきましょう。定価が分からないので,定価を$x$円とおきます。
②文章を読んで,方程式をたてましょう。
文章は次のように解釈しても同じことをいっています。
「定価の25%引きで売った金額は,仕入れ値の38%増しに等しい」$\cdots(*)$
まず,100%は割合1ですよね。
25%引きとは,100%-25%=75%,つまり割合0.75を掛けてくださいという意味です。
次に38%増しですが,100%+38%=138%,つまり割合1.38を掛けてくださいという意味になりますね。
これらのことを踏まえ,$\cdots(*)$を等式にします。
$x×0.75=450,000×1.38$
$x=\frac{450,000×1.38}{0.75}=828,000$
答えは ¥828,000。
【問題②】
【問題②】ある品物に原価の18%の利益を見込んだ定価をつけ,定価の35%引きで売ったところ,¥71,298の損失になりました。この品物の原価は何円ですか。
【解答】
①分からないものを文字でおきましょう。原価が分からないので,原価を$x$円とおきます。
②文章を読んで,方程式をたてましょう。
文章は次のように解釈しても同じことをいっています。
「原価を18%増ししたやつを35%引きした金額は,(原価-71,298)円」$\cdots(**)$
18%増しとは$×1.18$のことですね。35%引きは$×0.65$です。
これらのことを踏まえ,$\cdots(**)$を等式にします。
$x×1.18×0.65=x-71,298$
$0.767x=x-71,298$
$0.233x=71,298$
$x=\frac{71,298}{0.233}=306,000$
答えは ¥306,000。
パターンを暗記すれば,何をかけて何で割ればいいか一瞬でわかるようになります。
繰り返し練習しましょう。