読み上げ算とは

読み手が数字を読み,選手は読まれた数をそろばんで足したり引いたりしていきます。読み手が読み終えるまで選手は足し引きを繰り返します。
そして,読み手が言い終わったときの合計を当てる種目,これが読み上げ算です。

大きな桁のものだと7桁~16桁が多いです。百万から千兆の位までです。
レベルの高い大会や,地区大会であっても得意な人がたくさんいれば,読み上げ速度も速くなります。

競技中は声を出したりしてはいけません。当然ですね。
みんなでやる問題では一斉にそろばんの音が響き,入賞を決める問題くらいになると本当に静かになります。
読み上げ算種目独特の静寂は,会場にいる全員にものすごい緊張感を与えます。

種目ルール・形式

この種目のルールは主に2つです。

  • 連続正答方式
  • 上位先決方式

連続正答方式

読み手が読み終わった後,選手には解答する時間が与えられ,所定の紙にその答えを書きます。
書き直しは認められません。ちなみに,合ってたのに書き間違えたことが何回もあります。

  • 違う問題番号の欄に書くと悲惨なことになります。今やってた問題はもちろん,書き直した欄の問題の解答権も失います。もう思い出したくないこの絶望。

それぞれの問題における解答時間が終了した後,解答のある選手は答案を隣の選手と交換・採点します。
入賞が決まった選手の答案は,その場で監督者が回収します。

まず,簡単な問題から行っていき,入賞ラインまで連続正答できなかった選手は終了です。答案は回収されません。
優勝,2等,3等のうち,順位が確定した順に答案は回収されます。

入賞枠内での争いで間違えても,誰も正答者が出なかったり,まだ入賞枠があれば続行されます。
読み手がどれだけ読んでも数人が正解し続ける泥仕合の場合は,優勝を決める場合を除き,めんどくさいので全員入賞とします。

「間違えてはいけない」という緊張感

序盤の簡単な問題を間違えると,その時点で入賞争いに参加できないことが多いです。
ある問題から急に読み手が変わったり,桁やスピードも急に変わるので難しい。

入賞ラインに入った選手たちだけで行われる優勝・2等・3等決定問題ではさらに緊張しますよ。
優勝が決まらず泥仕合になることや,3等の最後の席を賭けた熾烈な戦いが繰り広げられます。

大会閉会の時間が遅れるかは,大体この種目によります。

上位先決方式

上位を先に決めるということです。最初に最も難しい問題から読んでいき,初の正解者が現れた時点でその選手を優勝とする形式です。
同じタイミングで初の正解者が出たら,その人たちだけで優勝争いをします。
その後,2等,3等……と入賞者を決めていき,最後の枠が埋まった時点で種目を終了します。

この方式は,主に地区大会で多いですね。手っ取り早く入賞者を決めるのに都合がいい形式です。

この方式では,最初の最も難しい問題から解答する資格が全選手にあります。
しかし,いきなり桁数が大きく読む速度も激しいので,実は連続正答方式より慣れが必要だと僕は思っています。

待ち時間の長さも一周回って醍醐味

難しい問題から始まるので,まだ未熟なうちは当然手も足も出ません。
優勝者,2等…と入賞枠が埋まり始め,最後の入賞枠を決める問題でも正解できないと,次の問題以降の解答権を失います。

この間,大会に参加したての選手にとってはヒマすぎて結構苦痛ですよ。
会場の緊迫した雰囲気から,余計な音を立てることも許されない。
このじっと待つ時間が嫌でした。しかし,この経験こそが大会で最も貴重なのです。

種目の進行に伴って正解者は次々に現れます。
自分ができるレベルをはるかに超える問題をこなせる人がいる。これだけでも新鮮な衝撃です。

  • 早いうちに優勝や2等が決まった選手も暇ですね。他の選手が頑張っているところを俯瞰でみることができるのですが,これも新鮮な感覚です。

読み上げ暗算

大会で「読み上げ算」や「フラッシュ暗算」と一緒に行われることも多い種目です。
暗算というくらいですから,もちろんそろばんは使いません。読み上げられた数を、頭の中でイメージして計算します。

桁数は「読み上げ算」に比べて少ないですが,ハイレベルだと容赦なく大きい桁が読まれます。
なお,進行ルールは読み上げ算と同様,連続正答による方式や上位先決方式です。

一つ桁が増えるごとに壁がある

頭の中でそろばんをイメージし,それを弾くわけですが,イメージできる桁幅の限界が存在します。

例えば4桁までが限界の選手がいるとして,5桁以上の数が読み上げられる問題ではもう太刀打ちできなくなります。
やったとしても,端っこの桁部分がぼやけてしまい,イメージがおぼつかなくなります。

そして,4桁→5桁,5桁→6桁と頭のそろばんを拡張するのは至難のワザ。はっきり言って先生の指導というよりかは,選手本人のセンスにも左右される種目です。

  • 本当は,選手のセンスが……というので片づけてはいけないのだとは思いますが。常日頃,ぎりぎりできない桁の暗算に挑戦し続ける向上心が大切です。

この「読み上げ暗算」種目では,地区大会や県大会において入賞するメンツが大体決まっています。

僕は読み上げ暗算が大キライで(好きな方すみません),今でも6桁までしかイメージできません。
上達の仕方があれば教えてほしいもんだ。

全国レベルの選手にもなれば格が違います。
読み上げ暗算ではなく読み上げ算(そろばんを使うほう)で扱うような桁数であっても正解していきます。



読み上げ算の種目に参加した選手じゃないとわからない緊張感をぜひ味わってほしいですね。
選手向けの記事も書く予定です。