この記事では『段位応用計算』の解説を載せています。
全珠連の段位検定における科目,応用計算の問題パターンを網羅することを目指します。

今回は第11講,複利終価です。「単」利法があれば「複」利法もあります。

単利法との違い

単利法

利息計算を1回だけ行います。

複利法

単利法とは違い,何回も利息計算を行います。

例えば3年借りると,1年目に利息計算されて2年目に持ち越し。その金額を2年目で利息計算。
3年目も同様に利息計算します。

つまり,最初に借りた金額(元金)は同じですが,時間経過でどんどん膨れ上がります。

  • お金を借りて返さないままでいると,どんどん借金が増えていきます。利息や金利というのは恐ろしいものです。

字面だけではよくわからないと思うので,例で確認していきましょう。

複利法の例

¥$300,000$を年利率$2$%で$3$年借りることを考えましょう。

1年目

¥$300,000$に$2$%の利息が付きます。1年目終わりの元利合計は

$300,000×1.02=306,000$

¥$306,000$となります。

2年目

2年目開始時の元金は¥$306,000$です。2年目終わりには,この元金に利息計算がなされます。
つまり,2年目終わりの元利合計は

$306,000×1.02=312,120$

¥$312,120$となります。

3年目

一応3年目も練習しましょう。

3年目開始時の元金は¥$312,120$です。3年目終わりには,この元金に利息計算がなされます。
つまり,3年目終わりの元利合計は

$312,120×1.02=318,362.4$

¥$318,362.4$となります。

とりあえず,3年目までの元金の推移を表にしてまとめました。

実際の計算

「10年目は?」って言われたらやりたくない

3年間借りた時の金額を計算するのに,わざわざ3回も利息計算しましたね。

じゃあ10年目はどうなるでしょう。10回地道に計算すれば……ってめんどくせー!!
さてどうしたものか。

先人の知恵

なんと,昔の人は「複利終価表」という早見表を作ってくれていました。

この値を使えば,「ある元金」が「ある年利率」で「n年」経過したときの金額が一瞬で分かってしまうのです。
じゃあ,さっきの条件で10年目を計算するには早見表の

$2$%,$10$期

の条件下における値を使えばいいということです。
そして,表の値を「複利終価係数」といいます。使い方は

元利合計=元金×複利終価係数

をするだけです。
さらに,早見表をさらにズームしてみましょう。

$2$%,$10$期での値(水色の枠中)は

$1.21899442$

です。この値を使いましょう。
以上により,¥$300,000$を年利率$2$%,10年借りた時,期日に支払う元利合計は

 $300,000×1.21899442$
$=365,698.326\fallingdotseq 365,698$

¥$365,698$とすぐに求められます!

  • ※実はこの表,数学的に意味のある配置となっています。また今度ご紹介いたします。

あと,『段位応用計算』の問題改正に伴い,試験場で早見表は配られなくなりました。
問題にはすでに早見表の値が載っているので,探す手間も省けるようになりました。

試験での対応

  • 【問題①】元利合計を求める問題
  • 【問題②】利息を求める問題

この2パターンが出題される。

「半年1期」の場合

「半年1期」の複利で借りた場合,「年利率を半分,期数を2倍」にして考える。

例)年利率5%,半年1期の複利で6年借りる場合

→年利率2.5%,1年1期の複利で12年借りる場合と同じだから,早見表で見るべきは

2.5%,12期の複利終価係数

である。

公式

【問題①】で使う式

元利合計$=$元金$\times$複利終価係数$\cdots(1)$

【問題②】で使う式

利息$=$元金$\times$(複利終価係数$-1$)$\cdots(2)$


ちなみに利息計算の右辺にある$-1$は

 利息$=$元利合計$-$元金
$=$元金$\times$複利終価係数$-$元金
$=$元金$\times$(複利終価係数$-1$)

という式変形によって出たものである。

※実際の問題には早見表の値が複数載っていて,どれかはダミーである。よく見極めよう。

練習問題

【問題①】

元金¥570,000を年利率3%,1年1期の複利で8年間借り入れると,期日に支払う元利合計はいくらですか。(円未満四捨五入)
※複利終価表より,3% 8期 1.26677008

【解答】

元利合計のパターンです。$(1)$式を用いると、求める元利合計は

$570,000×1.26677008$
$=722,058.9\cdots$

小数第1位を四捨五入して,答えは ¥722,059となります。


【問題②】

元金¥820,000を年利率5%,半年1期の複利で7年間借り入れると,期日に支払う利息はいくらですか。(円未満四捨五入)
※複利終価表より,2.5% 14期 1.41297382

【解答】

この問題は半年1期です。年利率5%,半年1期で7年借りるのは,年利率2.5%,1年1期で14年借りることと同じです。
そして利息のパターンですね。$(2)$式を用いると,求める利息は

$820,000×(1.41297382-1)$
$=338,638.5\cdots$

小数第1位を四捨五入して,答えは ¥338,639となります。



この第11講は複利計算の基本です。
今後,次から次へと複利計算に関わる問題が出ますから,今のうちに復習しておきましょう。