$\sqrt{603,729}=$???

中3数学で登場する√(ルート,平方根)の計算です。
平方根をむりやり求める開平計算は,高校数学Ⅰの内容ですね。

この計算,実はそろばんでもできます。そして段位の検定試験で出題されます。
今回は,全珠連の珠算段位にも含まれている科目「開法」より「開平計算」を紹介します。

  • 数学アレルギーを持つ方でもなんとか読めるようにしたつもりです。
    計算問題が下の方にありますが,すっ飛ばしてもらって構いません。

√(ルート)って何だ

一言でいうと,「2乗すると外れる記号」です。

これをルートまたは平方根といい,記号√で表します。
2乗は「2回同じものをかけ算」するということですね。

中学3年で習うこのルートですが,なかなかとっつきにくいんです。
今は大人でも,子どものときこれに苦しんだ方も多いはず。

そんな嫌われ者のルートですが,とりあえず存在意義だけ言っておきます。
下の図に大きさの違う正方形を2つ用意しておきました。

左の正方形は面積が4$[cm^2]$です。
正方形の面積は「一辺の長さ×一辺の長さ」でした。このとき

$2[cm] \times 2[cm] =4[cm^2]$

つまり

$2^2 =4$

ということになり,左の正方形の一辺の長さは$2[cm]$とわかります。

しかし!右の正方形はどうでしょう。
面積は$7[cm]$。一辺の長さを求めましょう。



……あれ?なんかおかしいですね。うまくいかない。

実は,2回掛けて$7$になるようなちょうどいい数はないんですよ。

だけど,昔の人は発想が天才的で,
「ふーむ,ないのかこんな数。じゃあ作ればいいんじゃね」
こう考えました。

そこで,2乗して$7$になる数として$\sqrt{7}$(ルート$7$)を作ったというわけです。

つまり,右の正方形の一辺の長さは,$\sqrt{7}[cm]$ということになります。

開平計算って何だ

簡単にいうと,ルートから普通の数にむりやり直すことです。

また例を挙げましょう。たとえば$\sqrt{36}=6$ですね。
これは,$36=6^2$,つまり$6\times 6$だからです。

もっというと同じ数のルートを掛けると√は外れるので

$\sqrt{36} = \sqrt{6} \times \sqrt{6} =6$

ということになります。
これくらいなら暗算でもできますが次の場合はどうでしょうか。

実際に段位試験で出題されるレベル

$\sqrt{339,869}=$
$\sqrt{1,663,987,264}=$
$\sqrt{838,847,164,996}=$
$\sqrt{0.0091708923}=$(小数点第5位未満四捨五入)

信じられないかもしれませんが,段位を取れる小学生なら淡々とこなせる問題です。
僕もやってましたよコレ。

これだけの桁数があるルートですが,「開法計算」の方法をそろばんでこなし,むりやりルートをこじ開けます。

例題をやってみる

そろばんを使わず,試しに1問例題を見てみますか。

$\sqrt{65536}$を整数に直しなさい。

というわけで,筆算でやってみましょう。難しかったら適当に聞き流してくれれば十分です。

筆算でやる

まずは図のように書いてみましょう。$65,536$という数字を2桁ずつブロックに分けるんです。

3つのブロックに分かれましたね。まずは①のブロックです。

①のブロックには「$6$」が入っています。
$6$以下で最大の2乗数(平方ともいう)を下のように書きます。

$2^2=4$なので,$4$が入ります。

次は,左の「$2$」の下に$2$を,ブロック①の下に2乗である$4$を書きます。

左は 足し算 して右は 引き算 します。

そして,②のブロック「$55$」を下へおろします。

ここまで大丈夫でしょうか?次からちょっと難しくなります。

左にある「$4$」を見てください。ここの右に▢を2コ書きましょう。

ここが厄介。今から▢に入る数を考えます。

「$4$▢$\times$▢」の値が,「$255$」以下でしかも最大になるような数が▢に入ります。

分かりづらいので書き出してみましょうか。


$41\times 1=41$ →まだいける
$42\times 2=84$ →まだいける
$43\times 3=129$→まだいける
$44\times 4=176$→まだいける
$45\times 5=225$→最大
$46\times 6=276$→ダメ

という具合で,▢に入るのは$5$だと分かりました。
それと②のブロックの上にも$5$を入れておきます。

先ほどと同じ要領で,足し算引き算しましょう。

次は③のブロックです。
これもまた▢を書いて,うまくいく数を探します。

<

ちょっと桁数が大きいですね。
「$50$▢$\times$▢」の値が,「$3036$」以下でしかも最大になるような数が▢に入ります。

計算は割愛しますが,$506\times 6=3036$とピッタリになります。
同様に足し算引き算して③のブロックも攻略できましたね。

最後に③のブロックが「$0$」になりました。
「$0$」にならないときは小数点へと続いていきます。

これでめでたく$\sqrt{65,536}$の値を開平法で求めることができました!

$\therefore \sqrt{65,536}=256$

そろばんなら早い

  • 紙の上で手計算するよりも圧倒的に速いですね。

今の問題は,弾くのが速い人がやると10秒もかかりません。

僕らだったら,6桁くらいのルート(平方根)は暗算でやっちゃいます。
その方が早いですからね。

ただ,そろばんでやる方法は何個か方法があります。
僕がやっているのは基本である「平方へいほう九九くく 法」です。
もっと速いけど理解が難しい「半はん九九くく 法」もあります。



全然関係ないですが,そろばんって何か変な所で学校の先取学習をしますね。
「応用計算」という科目では小学校で習う割合や速さ,中1の1次方程式,高校の商業科におけるビジネス計算を取り扱います。
利息計算は,言ってしまえば高校数学Bの数列の範囲ですね。

開法は中3の平方根,そして七段以上を取るには高校数学Ⅱの指数・対数関数で出る3乗根の計算「開立」が必要です。

$\sqrt[3]{69,375,867,029}=????$

言い忘れてましたが,全珠連珠算段位の問題は30問あります。
問題番号1~20は開平,問題番号21~30は開立です。

高段位に立ちはだかる難敵「開立」計算については,またの機会に説明しましょう。