1級までは出題される問題レベルが決まっていて,全科目が一定の合格基準を満たすことで合格。でも段位になるとちょっと違います。
段位試験では初めて受ける人から実力者まで,同じ問題を解きます。

段位でも「全科目が一定水準以上」という基本は変わりませんが,高段位になるほどそのボーダーが高くなります。
下に二大段位検定である「日珠連」「全珠連」の合格水準を示しておきます。

あと一歩を叶えるシステム

ただ,段位は級の検定と比べて科目一つひとつの問題数や難易度が厳しいです。
「もう少しで二段に届くのに…」「かけ算あと2問で三段」みたいなことがよくあります。

そこで,合格基準を満たした科目の記録を繰り越しして利用できる「有効段位制」が使えます。
正確な名前は分かりませんが,便宜上有効段位制と呼んでおきます。

あと一歩の例

これは7科目あるので全珠連の段位検定ですね。
表をみると,全珠連三段(140点)に満たないのは見取算とわかりますね。
人によって好き嫌いが分かれる見取算です(僕は嫌いでした)。

このままでは悔しいので次回の検定も受験するとします。
「有効段位制」により,次回の検定では見取算以外の種目は全て三段をとったことになります。

つまり,次回で例えばかけ算をミスっても,前回の結果(160点)をそのまま使えるということです。
とにかく,見取算を140点目指して頑張ればいいわけだ。

よくある例

次に受けた時,こんな感じの成績だったとします。

日頃の練習の成果を存分に発揮できていますね。全体的に点数が増えている科目が多いです。

……でもなんか140点に満たない科目がありますね。
初めに行うかけ算,緊張で失敗したらしい。果たして三段は取れているのでしょうか?

あれ?まさかまさかの四段合格です!
……いったい何がどうなっているのか。

有効段位制により前の得点のほうがよかったらそれを採用できます。
しかも応用計算もやったので,選択科目では一番得点の低い伝票算を使わず,他の3科目が優先されたわけです。

これにより審査対象になった6科目がすべて160点をめでたく超え,二段から準三段,三段,準四段,四段と4ランク昇格!!
とにかく,有効段位制の威力は凄まじいですね。
この制度によって,これまでたくさんの有段者が救われてきました。

有効段位制には期限がある

ただし,上の有効段位制,いつまでも効くわけではありません。
全珠連の珠算・暗算段位では過去2回分まで効きます。日珠連段位は直前5回までの成績が有効です。
日珠連は全珠連よりもちょっと期間が長いのが特徴です。

だが十段の壁は厚い

日珠連・全珠連の十段は,1回の受検ですべての科目が同時に十段の基準以上でないと合格したことになりません。

例えば日珠連の珠算十段を取ろうと思ったら,3科目全て290点以上取る必要があります。
全珠連の珠算十段は,「かけ算・わり算・見取算」の必須3科目,「伝票算・暗算・開法・応用計算」のうち3科目が全て280点以上でなければいけません。

暗算十段も同様で,すべての科目が十段のボーダーを超えなければ合格になりません。

最高峰である十段に,有効段位制は通用しません。他の級・段位とは一線を画す超絶難易度です。

  • 全珠連の暗算十段を狙っているのですが,未だに見取暗算で沈みます。


余談ですが,下の図を見てください。

これは全珠連の暗算段位検定です。
九段のボーダーは170点ですが,かけ算が160点なのに合格しています。
これも有効段位制のチカラです。

他検定にも有効段位制があるはず

その都道府県・支部が運営する珠算・暗算検定にも多分有効段位制はあると思います。
もう少しで届きそうなのに!と思ったら,先生に「有効段位制」があるか聞いてみましょう。